激赤

赤いワイルドディスカスと言えばアレンカー、とその集荷される町の名前が有名だが、その周辺で捕れるディスカスは強烈な赤を発色する個体が多い。

この15年程でこの辺りのワイルドディスカスも細かく採集地分けされ、それぞれの特徴がより詳しく分かる様になってきた。

アマゾン本流を境に北岸、南岸と大きく分かれたのが最初で、北岸は正にディスカスと言えるラウンドフォルムを持ち、ややイエローベースに明るい赤が乗る優しいイメージ、南岸はタンクブリードを思わせるハイボディ、ピンク、パープルベースに濃い赤が乗るシャープなイメージの個体が多く、それぞれの魅力を持つ。

その後北岸、南岸ともそれより西よりに漁場が開拓され、北はトロンベッタ、南はジュルチ辺りまでのラーゴやジンホ(水路)からも赤いワイルドディスカスが採集される様になった。

これらの特徴はどちらかと言えば南岸最盛期のディスカスを思わせる個体が多く、入荷時はやや暗めの体色故に華やかさは無いが、日が経つにつれ馴染めば馴染む程、体の奥からじわじわとまるでペンキの様な濃い赤を発色してくる。

今シーズン入荷のサンライムンドもその一つの産地で、入荷後あれよあれよという間に真っ赤に変貌し、これぞアマゾンレッドディスカスと納得の個体群だった。